新刊『恋もよい』あとがき

 


この度はてんてん将軍の3冊目の御本をお迎えいただきありがとうございます!

初めての同人誌でありました信瘣本を出したあと、今後は信瘣本は作ることはないだろうなとなんとなく思っておりました。なぜかと言うと、丁度本誌で羌瘣が信へ自分の気持ちを伝えた頃だったので、公式のあまりの尊さにお腹いっぱい胸いっぱいのため、それ以上妄想することがあまり出来なくなってたんですね。(誤解のないように申し上げますが、私自身の問題ですよ。私自身の創作の問題です。)

またその時同人女のクソデカ感情と戦っておりました。自分らしく創作を続けるには。。。とか、もうそういう感じの拗らせた感情です。困りましたね。そこで始めたのが物語の隙間を題材にした李信外伝でした。はじめは自分自身が納得できるものをと実験的に支部のみに上げるなどして模索しておりました。正直今思うとしんどかったです。かなり孤独な二次創作をしていたと思います。でもしんどかった分、さらに自分の中のキングダム愛が爆発し好きが溢れ出してしまいました。私は一つのことを頭の中で恐ろしいほど(必要以上に)考えてしまい、それがまとまらない、だんだん疲れてきてもうやめた!っとなる人間なのですが、キングダムはあまりに沼が深すぎて、もうやめた!とはならずに、この場面のこの人物の言葉はなぜ出たものなのか…などもう深掘りが始まり、さらにはその圧の強すぎるダム語りを誰かに聞いてほしい!という読書感想文にまとめるような二次創作が模索する中で自分の中で一番しっくりきました。色んな視点から推しである信を見ることで、改めて信の魅力に気がつく事ができるのです。

話を戻しますと、もう描かないと考えていた信瘣本を描こうと思ったきっかけは、ずっと恥ずかしくて読めずにいた初めて作った信瘣本でした。もちろん、その時点では二人の関係性をよく考え真剣に作り上げたものだったんですが、外伝というものを通ったあと、また原作で二人の関係が進展する中、今の時点で描きたい信瘣がある!と奮い立つことができました。

大多数が男女の関係から始まり、たくさんの時間を共有する中でお互いへの理解を深め信頼関係を築いていくと思いますが、この二人は先に築き上げた揺るがない信頼関係・絆が存在しています。「気になる」存在は無意識として存在したかとは思いますが、それに気がついた二人が、これから経験する男女の関係を今の時点で私の中で深く向き合いたいテーマでありました。そしてこの度、たくさんの励ましの言葉に支えられ、こうして皆様のお手元にお届けでき感謝と喜びでいっぱいです。

まだまだ未熟ではございますが、思いだけはたくさん詰め込んでおります。皆様の心に残るオタクの本となれると幸いです。